EV車が普及すればするほどEV充電器の重要性が高まる
電気自動車(EV)の普及が進む中、自宅や商業施設でのEV充電器の設置はますます重要になっています。充電器の選択において、特に一般的な3kWと6kWの充電器はそれぞれ異なる特徴を持っており、ユーザーのニーズに応じた選択が必要です。
本記事では、3kWと6kWの充電器のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
3kWタイプのEV充電器
3kWタイプの特徴
3kWの充電器は、通常「普通充電器」として家庭やオフィスで利用されることが多いタイプです。一般的には、1相200Vの電源を使用し、家庭用電源にも対応可能です。
メリット
① 安価で手軽に導入できる 3kW充電器は、コストが比較的低いため、初期投資を抑えることができます。また、家庭の電源環境に馴染みやすいため、手軽に設置できる点も大きなメリットです。
② 電力容量の負担が小さい 低出力のため、家庭の電力使用量を大きく圧迫することがなく、他の家電製品と同時使用しても電気の過負荷を気にせずに済む場合が多いです。
③ 長時間駐車するシーンに適している 例えば、夜間に車を駐車しておく場合、3kWの充電器でも十分に充電が完了することが多く、急いで充電する必要がないシーンでは有用です。
デメリット
① 充電時間が長い 最大のデメリットは、充電時間が長いことです。例えば、50kWhのバッテリー容量を持つEVを充電する場合、0%から満充電にするのに約17時間もかかることがあります。短時間での充電を必要とするユーザーには不向きです。
② 公共充電ステーションでは不便な場合がある 公共施設や商業施設では、短時間で充電を済ませたいユーザーが多いため、3kWタイプの充電器は不便と感じられることがあります。また、他の利用者に迷惑をかける可能性もあります。
6kWタイプのEV充電器
6kWタイプの特徴
6kWの充電器は、3kWタイプよりも高出力で、充電速度が速いのが特徴です。一般的には、家庭用の200V電源を使用するほか、商業施設やマンションの駐車場にも設置されることがあります。
メリット
① 充電速度が速い 6kWタイプの充電器は、3kWタイプの倍の速度で充電が可能です。例えば、50kWhのバッテリー容量を持つEVを0%から満充電にするのに約8.5時間しかかかりません。このため、短時間で充電を完了させたい場合には非常に便利です。
② 商業施設やマンションに適している 短時間で充電を完了させることができるため、商業施設やマンションの共用充電器として適しており、利用者の回転率を上げることができます。
③ 将来的な対応力 今後、EVのバッテリー容量が大きくなることが予測されているため、将来的により大きな容量のバッテリーを持つEVにも対応できるというメリットがあります。バッテリー容量が大きくなると、3kW充電器では充電時間がさらに長くなるため、6kWタイプの方が長期的には有利になるでしょう。
デメリット
① 設置コストが高い 3kWタイプに比べると、6kWの充電器は設置コストが高くなります。機器自体の価格が高いほか、電気配線の容量を増やす工事が必要な場合もあり、これが追加の費用となる可能性があります。
② 電力負荷が大きい 6kWの出力を使用すると、特に家庭では電力負荷が大きくなる可能性があります。例えば、家庭で他の大電力機器(エアコンやIH調理器具など)を同時に使用している場合、ブレーカーが落ちるリスクが増加するため、注意が必要なため、対策が必要です。
③ 使用環境によっては過剰性能となる 充電時間に余裕がある家庭での利用では、6kWの出力は必ずしも必要ではありません。そのため、夜間に長時間駐車して充電するような場合、3kWでも十分なため、6kWはオーバースペックになることがあります。
3kWと6kWの比較
項目 | 3kW充電器 | 6kW充電器 |
---|---|---|
充電速度 | 遅い | 速い |
設置コスト | 安い | 高い |
電力負荷 | 小さい | 大きい |
長時間利用 | 長時間駐車向け | 短時間で充電を完了したい場合に最適 |
家庭向け | 電力負荷が小さく手軽 | 設置には配線工事が必要な場合がある |
商業施設向け | 利用回転率が低く不向き | 回転率が高く商業施設向け |
どちらを選ぶべきか?
利用シーンに応じた選択
3kWと6kWの充電器を選択する際には、主に利用シーンに応じた判断が必要です。長時間駐車する環境では、充電速度よりも設置コストや電力負荷の小ささが重要になるため、3kWタイプが適しています。
一方、短時間で充電を完了させる必要がある場所や、将来的なバッテリー容量の増加を考慮する場合は6kWタイプが優れた選択肢となります。
コストパフォーマンス
設置コストや運用コストを考慮すると、3kWの充電器は家庭向けに適しており、初期投資を抑えたい場合には理想的です。
しかし、商業施設や駐車場に設置する場合、6kWの充電器は回転率の向上やユーザー利便性の観点から価値が高くなるため、長期的には費用対効果が良くなる可能性があります。
まとめ
EV充電器の3kWタイプと6kWタイプは、それぞれの用途やニーズに応じたメリットとデメリットを持っています。どちらを選ぶかは、設置場所や利用目的によって異なりますが、未来のEV市場の拡大を考慮しながら最適な選択をすることが重要です。
乗用車の法定耐用年数は6年です。新車で購入し6年使用した場合、この6年の間で技術は進歩されているでしょうね。当時導入されていたバッテリー容量と6年後のバッテリー容量とでは、かなりの差がでるのでは・・・。
スマートフォンの充電器も進化してますしね。