太陽光発電の年間発電量の計算の仕方は超簡単!

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太陽光発電システムの発電量計算が全ての事業性を左右します!

太陽光発電システムを設置したい・・・、自分の屋根や土地で太陽光発電システムを設置した場合、どのくらい発電するのか?わからない・・・。業者から頂いたシミュレーションは正しいのか、ちょっと不安だ。そんな時に自分でも計算できるのが太陽光発電システムの発電量です。下記がその計算式ですが、何れも影などは考慮されていないのが、前提です。影がかからない日射量計算が、元請業者の腕の見せ所でもあります。

計算してみましょう。太陽光発電システム10kW、真南の屋根、屋根の傾斜角30度。日射量は、NEDO日射量データベース閲覧システムです。下記は〈計算式1〉のパターンです。

東京都八王子市の日射量

方角とパネルの角度で日射量が変わる!

日射量4.48×太陽光発電システム10kW×損失係数0.8×365日で計算しますと、〈計算式1〉年間の発電量は、13,081kwh/年です。月別の発電量を調べたい場合は、折れ線グラフの各数値の日射量に変えて、日数をその月の日数に変更するだけで求められます。

③損失係数は、「機器による送電ロス、回路損失、温度補正係数」です。実務においても全く覚える必要はありません。損失係数は、0.7~0.85の数値をあてられていることが多いですので、損失係数0.8~0.85を覚えておけばOKです。これは「1」に近づければ近づくほど、当然沢山の発電量が増えますが、このように「1」にして計算される方はまずいません。損失係数は、総合設計係数とも呼ばれています。

日射量の良い方角は、南>東>西>北の順です。南向きの屋根の設置する場合が一番発電します。北向きの屋根に設置した場合は、発電量も少ないですし、パネルによっては反射しますから真向かいに家があるようでしたら、反射によるクレームにもつながったりします。ここ最近は、反射軽減されるパネルもリリースされています。防眩仕様の太陽光パネルです。

設備稼働率は、過去からの稼働情報を基に算出されている!

〈計算式2〉は、②太陽光発電システム×(1年間の時間:④365日×24時間)×設備稼働率(%)となりますが、その設備稼働率が問題となります。その際は、この数値の参考にして当て込めば計算できます。

〈事業用太陽光発電〉

〈住宅用太陽光発電〉

住宅用太陽光を例として計算するならば太陽光発電システム10kW×24時間×365日×2023年度設備利用率14.1%=年間発電量12351.6kWh/年。〈計算式3〉は、太陽光発電の1kWあたりの年間推定発電量は1,000kWh程度とされています。つまり1,000時間です。10kW×1000時間=10,000kWh

計算式をそれぞれ計算しても差異が生じる!それは何故?

年間発電発電量
〈計算式1〉13,081kWh/年、〈計算式2〉12,351.6kWh/年、〈計算式3〉10,000kWh/年

3つ比較すると各数値に誤差がでてきます。〈計算式3〉のベースが全国平均1,000時間になるため、各都道府県によって日射時間は異なります。雪が降る地区などは大体900時間~1050時間程度です。そのため、日射時間が長い地区であれば自ずと発電量は伸びます。

〈計算式2〉は、FIT制度の認定を受けた事業者は、設置報告を初年度、運転報告を毎年と義務付けられています。この設備利用率は、その認定を受けた事業者から吸い上げた情報を基に算出した設備利用率です。隣の家やビルの陰などにより影響を受けている太陽光発電所もひっくるめて設備利用率が含まれています。

事業用の土地と建物設置の利用率も比較してみてください。この2つで比較しても2~3%の誤差が生じます。これは、太陽光発電設備は、風通しが悪いことによる温度上昇によりパネルの発電効率が下がってしまう点と、パネルの設置角度によっても、パネルにあたる日射が減るため発電量が下がることによる誤差です。陸屋根・折版屋根なら0度~10度未満のパネル角度です。

〈計算式1〉は、真南、30度の時の日射量をベースに試算した発電量です。傾斜屋根だと30度は想定されますが、土地設置になりますと雪国ぐらいしか想定できない角度です。〈計算式1〉を平坦の土地や建物の上にパネルの傾斜角度を0度や10度の傾斜角で計算した場合の年間発電量は、10度12,030kWh/年、0度11,125kWh/年になります。〈計算式2〉の12,351.6kWh/年に近づくのがわかる思います。

このNEDOのシミュレーションを使うのが面倒くさい方なら、設備利用率から計算してもよろしいかと思います。太陽光の発電量計算は本当に楽ちんです。ただし、各現場ごとの影考慮はされていません。

太陽光パネルの弱点は影に弱い

太陽光パネルは、直流製品です。10枚連結しても全て直流です。例えば、10枚並べた太陽光パネルのうち、真ん中に影が掛かれば、影が掛かったパネル出力に全体が引っ張られます。と言う事は、太陽光パネルの性能をフルで発揮できません。

原因は電柱の陰、何等かの遮蔽物により、パネル出力減少します。その出力減を極力軽減させるための装置として、ここ最近では、オプティマイザーと言う最適化を図るための製品を付帯される方も増えてきました。

既築の建物はそもそも太陽光発電システムを設置する目的で建設されていません。建築基準法に則って造られているだけですので、太陽光を設置する際は、元請業者に相談する際は、しっかりとシミュレーションを見せて頂いて、数値的根拠を確認する癖をつけておきましょう。

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この記事を書いた人

カーボンフリー社会の実現が2050年。エコや電気に関することは、これからもずっと続くエコライフ!環境にやさしい商品や再生可能エネルギー、何かいい情報がありましたら、ご紹介してきます。日記としても書いていきます。〈保有資格〉宅地建物取引士・FP・貸金業取扱主任者

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