太陽光発電パネルの技術の進化は早い!
太陽光発電の技術が進化する中で、片面パネルから両面パネルが登場してきました。それぞれのパネルには独自のメリット・デメリットがあり、最適な設置場所や影響を受ける要素も異なります。この記事では、両者の違いと、影の影響を含めた電気的特性についても詳しく解説していきます。
片面パネルとは?
片面パネルは、太陽光を一方向から吸収して発電を行う従来型の太陽光パネルです。通常、光を受ける面にはセルが配置されており、裏面は反射防止や保護のための素材で覆われています。住宅や商業施設の屋根、地上設置システムなどで広く使用されており、長年にわたってその信頼性と性能が証明されています。
両面パネルとは?
両面パネルは、表面だけでなく裏面にも太陽電池セルを持ち、両面から光を吸収して発電するタイプのパネルです。このため、直射光だけでなく地面や周囲の物体からの反射光も有効に活用できます。特に、反射光の多い場所や空間の広い設置場所で優れたパフォーマンスを発揮します。
片面パネルのメリットとデメリット
メリット
1. 低コスト
片面パネルは構造がシンプルで、製造コストが低いため、購入価格も抑えられます。初期費用をできるだけ低くしたいプロジェクトには最適です。
2. 設置の柔軟性
片面パネルは広範な設置環境に対応しており、特に住宅や工場の屋根など、標準的な場所で簡単に設置が可能です。
3. 実績豊富な技術
片面パネルは長年使用されてきた技術であり、その信頼性と耐久性が高く評価されています。多くのメーカーがこの技術を成熟させており、メンテナンス方法や故障対応も確立されています。
デメリット
1. 限られた発電効率
裏面から光を吸収できないため、地面や周囲からの反射光を利用できず、発電効率が限定的です。特に設置場所によっては、効率が低下することがあります。
2. 影の影響を受けやすい
影がセルにかかると、パネル全体の発電効率が大幅に低下する可能性があります。影を完全に避けるためには、設置場所や角度を慎重に選定する必要があります。
両面パネルのメリットとデメリット
メリット
1. 発電量の向上
両面パネルは、裏面でも反射光を吸収して発電できるため、特定の条件下では片面パネルよりも高い発電量を得られます。特に、白い砂地や雪など反射光が強い環境では、発電効率が最大20%以上向上することもあります。
2. 効率的なスペース利用
両面パネルは空中に設置したり、垂直方向に近い設置角度でも発電できるため、狭い空間や特殊な設置条件下でも効果的に利用できます。
3. 長期的なコストパフォーマンス
初期コストは高いものの、発電量の増加により、長期的にはトータルのコストパフォーマンスが向上することがあります。メンテナンスも片面パネルと同様に確立されています。
デメリット
1. 高コスト
両面パネルは製造コストが高く、片面パネルに比べて初期費用がかかります。加えて、設置の工夫が必要なため、設置費用も上がる傾向にあります。
2. 設置条件に依存
両面パネルの効果を最大限に活かすためには、反射光が多く得られる場所での設置が理想です。反射光が少ない場所では、片面パネルとの大きな差は見られない場合があります。
3. 複雑な設置方法
両面パネルは、地面からの反射光を効率よく受けるため、設置角度や高さに細心の注意を払う必要があります。これにより、設置の手間やコストが増加することがあります。
影がパネルに与える影響と電気的特性
太陽光パネルは、影の影響を受けるとその発電効率が著しく低下します。特に、パネルにかかる影の大きさや形状によっては、パネル全体の出力が大幅に減少することがあります。
片面パネルにおける影の影響
片面パネルは一方向からの光を吸収するため、影がパネルの表面にかかると、直接的に発電効率に影響を及ぼします。通常、セル単位で影が発生すると、そのセル全体が発電できなくなるだけでなく、パネル全体の電圧が下がり、システム全体のパフォーマンスに悪影響を与えます。
電気的に見れば、影による電圧の低下が起こると、直列接続された他のパネルにも影響を与え、システム全体の発電効率が低下します。このため、片面パネルの設置には影を避ける工夫が必要です。
両面パネルにおける影の影響
両面パネルも影の影響を受けますが、片面パネルと異なる点は、裏面からも光を吸収できることです。例えば、片面が影に覆われていても、裏面からの反射光を吸収できるため、完全に発電が停止することは少なくなります。ただし、大きな影が両面にかかる場合には、片面パネル同様に発電効率が低下するため、設置場所には注意が必要です。
パネルの最適な設置場所
片面パネルに適した場所
片面パネルは、光を一方向から効率的に吸収するため、屋根の上や、地面に直接設置する太陽光発電システムに向いています。また、工場や住宅の屋上など、影の少ない場所に設置することで、最大限の発電効率を引き出すことができます。
〈適した場所の例〉
- 住宅や商業施設の屋根
- 工場や倉庫の屋根
- 影がほとんど発生しない広い平地
両面パネルに適した場所
両面パネルは、反射光を有効に活用できる場所に最適です。砂地や雪、白い地面など、反射率が高い場所では特に優れたパフォーマンスを発揮します。また、カーポートや高架、空中設置など、裏面にも光が届く設置条件下では、両面パネルがその強みを最大限に発揮します。
〈適した場所の例〉
- カーポートの屋根
- 高架や空中設置システム
- 白い砂地、コンクリート、雪など反射光が豊富な場所
まとめ
片面パネルと両面パネルには、それぞれ異なる特性と適した設置場所があります。片面パネルは、コストを抑えつつ設置場所を選ばない柔軟性が魅力です。一方、両面パネルは、反射光を利用できる環境で最大限の発電効率を発揮します。影の影響を考慮した設置や電気的特性も踏まえ、設置環境に合った最適な選択を行うことが重要です。